まだ発展途上のテクニックですが,自分なりに工夫をこらし,球棒模型,空間充填模型,配位多面体が一本の軸の回りをぎこちなく回転するだけの幼稚なアニメーションを製作してみました.広く公開するほどの技術ではないかもしれませんが,参考までに,どのようにしてアニメーションを実現したのかを紹介しておきます.
いずれのアニメーションでも,回転角のステップは18゜としました(20画面/回転).こんなに粗いステップでは滑らかな動きはとうてい望めませんが,動画イメージが肥大化すると,日本の貧弱なネットワーク環境(フィリピンやマレーシア以下だそうです)では負荷がかかりすぎると判断しました.
こうして作成した一連の画像ファイルはGifBuilderでanimated GIFファイルに変換します.GifBuilderはフリーウェアです.このような素晴らしいソフトを無償で提供されているYves Piguet氏に深く感謝します.Animated GIFファイルは通常のGIFファイルとまったく同様に取り扱えます
1) エディターでMolView用の入力ファイルを作成した後,MolViewを立ち上げ,球棒模型,空間充填模型,(球+配位多面体)模型のいずれかの表示モードを選びます.
2) 一定のステップで構造模型を回転させ,画像を順次saveしていきます.Fileメニューの下のSave as ...でcolor screenを選び,スクリーンイメージ全体をPICTファイルとして記録します.
3) GifBuilderを立ち上げます.
4) Optionsメニューの下のColors...でSystem PaletteあるいはBest Paletteのいずれかを選択します.どちらがよいかは,次の操作で画像ファイルを表示させればわかります.
5) Fileメニューの下のAdd Frame(あるいはCommnad-k)で,画像ファイルを順序通りにFramesウィンドウに加えていきます.
6) つぎにFramesのウィンドウがactiveな状態でCommand-Aを押して全画像を選択します.Optionsメニューの下のFrame Positionでxとyに適当な値(たとえばYBa2Cu4O8の場合,-280と-200)を入れて,図形の位置を調整します.
7) 構造模型の回転スピードをOptionsメニューの下のDefault Interframe Delay...で指定します.比較的,単純な構造模型ではas far as possbileを選び,複雑な構造模型では秒数を入力します(たとえばC60では35/100 secondsにしました).
8) Optionsメニューの下のLoop...でForeverを指定し,永遠に回り続けるように設定します.
9) AnimationメニューでStartを選び,アニメーションが正常に動作することを確認します.止めるときは同メニューでStopを選びます.
10) 最後にFileメニューの下のSave as...でAnimated GIFファイルとして記録します.